鹿部漁協 佐藤です。
促成昆布種糸用の滅菌海水について、以前、海水を沸かすと水分が蒸発し、塩分濃度が濃くなるというお話しをしましたが、そのままでは使用できないので、海水の塩分濃度を測定し標準の塩分濃度に調整(比重調整)をします。
比重調整については、赤沼式比重計Bを使用します。
沸かした後、水温を10℃弱まで冷やした海水をこの比重計で測定します。
比重計の目盛りを読み、標準の塩分濃度になるように、予め用意しておいた濾過済のきれいな川水(沢水)を加えます。
沢水の加える量については、その時の海の状態により異なります.
毎回、ヒシャクで加える量を調整し、標準の海水濃度になるよう慎重に作業しなければなりません。
沢水の入れる量を間違えると、逆に今度は塩分濃度の濃い海水を入れ、海水の塩分濃度を濃くしなければなりませんが、
海水の塩分濃度はなかなか濃くならないので、沢水の入れる量を間違えたら大変なことになります。
沢水を入れ、きちんと攪拌し沢水と海水が混ざったなら滅菌海水が完成となり、促成昆布種苗生産に使用する事ができます。
昆布種糸の生産には欠かす事の出来ない作業となります。
この記事を書いた人
鹿部漁協
鹿部漁業協同組合職員です。 組合では、漁業者が末永く漁業を営む事が出来るよう漁業資源の維持・拡大 並びに藻場造成等の事業に取り組んでおります。 その漁協の取組について、皆さんが普段あまり見ることのない作業風景など 皆さんに組合の仕事について知っていただきたいと思います。 組合事業の取組だけではなく前浜や漁協市場の状況についても、随時、皆さんにお届けしていきます。