鹿部町役場水産経済課漁業振興室 佐藤です。
組合で毎年度ナマコを生産・中間育成をした後、各地区の漁場へ放流しております。
先日、ナマコの採卵作業を実施した際にお手伝いさせていただきましたので、ざっくりとどんな作業をしているのかご紹介いたします。
まず、事前に沖から採取していた親ナマコのよごれをとります。
ナマコの重さを一つずつ測り、ナマコの産卵誘発を促進する薬剤を注射でナマコの頭に打ち込みます。
これは、作業工程上、雄・雌を区別する必要があるため、薬剤を打ち込み水槽に入れておくことで効力が出てくると精子・卵子が出てくるので、それで雄・雌を判断して別々の水槽に移します。
雌はこの小さい水槽に1匹ずつ入れるように移し、卵子を出させます。卵子がある程度出たのを確認出来たら、雄をまとめて入れていた別水槽から精子が混ざった水槽水をバケツに汲み、スポイトで小さい水槽に垂らしていきます。これで受精卵が完成です。2時間ほどたつと分裂をはじめ一つの受精卵が2つ4つと分裂し増えていきます。これがひと通りの流れです。
今回制作したのが幼生と呼ばれる状態のもので、顕微鏡でやっと見れるくらいの大きさです。ここから数か月中間育成をすることで稚ナマコへとなります。近年は、約1ヵ月中間育成を実施し、μm単位の幼生を放流しているため、稚ナマコと呼ばれるまでの大きさのものは育成しておりませんが、毎年度組合で育成したナマコと北海道栽培公社から購入している稚ナマコを放流し、資源の維持・増大を図っております!
この記事を書いた人
役場漁業振興室
鹿部町役場水産経済課漁業振興室メンバーです。
みなさんの漁業のイメージはどうでしょうか?
漁師がお魚を獲ってきて市場に出し、仲買人を経由し、スーパーや魚屋で売り出され皆さんの食卓に並ぶというイメージではないでしょうか。
魚を獲って皆さんの食卓に並ぶまで色々な取組があります。
漁業という分野で普段皆さんが見ることのない漁師や漁業に関係する方々の取組を写真や動画で少しでも皆さんに知っていただけるように投稿していきます!
町章(プロフィール画像)の由来:4つの片仮名の「カ」で鹿部の「鹿」を表し、これを輪にして町民の「輪」を描き、町発展の基盤となる昆布と温泉が包まれています。